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農の時代がやってくる 農民作家・山下惣一

今朝(9/23(土) 午前6:10-午前6:53)、NHKで「日本人は農なき国を望むのか~農民作家・山下惣一の生涯~」というドキュメンタリー番組を放送していた。自家消費用の米と野菜等を作っていることもあって興味深く視聴した。いま自分が農業について思っていることを代弁してくれているような内容であった。農家の方や農業に興味を持っておられる方に是非見てもらいたいと思う。

去年7月、佐賀の農民作家・山下惣一さんが86歳で亡くなった。玄界灘に面したミカン畑で汗を流しながら、作家活動を展開。日本経済が高度成長を遂げて農産物の輸入自由化が加速し「日本農業不要論」まで叫ばれる中、衰退を続ける農村の現場から「農と食の大切さ」を訴え続けた。また「地産地消」「身土不二」という言葉を社会に広め、「農業は成長よりも安定。拡大よりも持続、競争よりも共生」と唱えた山下さんの生涯を描く。

NHK+での 配信期限 :9/30(土) 午前6:53 まで

https://plus.nhk.jp/watch/st/g1_2023092331974?calendar=20230923&ch=g

昨今、SDGs:持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)という標語が飛び交っているが、日本では農業の持続可能性についての認識が低いように感じる。最近の農産物の値上がりが皮肉にも農業について考える切っ掛けを作っているようにも思える。農産物を作っている立場から見ると、まだまだ農産物(食料)の価値は低いままだ。他の工業製品の価格に比べると相対的に低い状態が続いているのではないか? 市場価格が需給によって決まり、農産物が大きな変動要素を持っているのは理解できるが、そもそも原価を割るような工業製品があるのだろうか?

米(10kg)の値段の推移
値段 備考
1950年 445円  
1955 765円  
1960 870円 戦後初めてエンゲル係数が40%以下に
1965 1360円  
1970 1880円 減反政策の開始
1975 3330円 オイルショック(インフレ)で米価も上昇
1980 4190円  
1985 4797円  
1990 4932円 消費税3%の導入(1989年)
1995 5118円 消費税5%に引き上げ(1997年)
2000 4803円 米の輸入開始(1999年)
2005 4716円  
2010 4509円  
2015 4143円  
2017 4429円 糖質制限ダイエットブームによる逆風

※参考ソース:物価の文化史事典(展望社)
※1960年までは日本銀行のデータ、1965年・1970年は総務省統計調査、1975年~2005年までは東京の小売価格(国産うるち米・中)、2010年以降は総務省のデータ、が出所となります。

 

1950年の米の値段は445円で、これは現在の物価に直すと3700円程度に相当します。それ以降も、物価の上昇よりも米価の上昇幅の方が大きい状態が、1995年頃まで続きました。しかし2000年頃をピークに、米価は下落に転じています。

 

米価が値下がりしている理由は、米離れ(食の欧米化)が加速している事、核家族の増加で米を炊かない世帯が増加した事、1999年の米の輸入自由化に伴って安価な外国産米が多く出回るようになった事、などが挙げられます。また最近では、女性を中心に糖質制限ダイエットが広まっており、日本人の米離れを更に助長しています。

山下惣一 - Wikipedia