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貿易統計から何が見える?(エネルギー資源)

最近、世界のエネルギー資源(石油・石炭・天然ガス)の価格が高騰してガソリン・電気・ガスの料金の値上がりが心配されている。需要に対して供給が絞られていることから起きた一時的なものとの見方もあるが、発展途上国の経済発展による資源消費の増加による高騰は以前から予見されていたことでもある。財務省の貿易統計のグラフを見ると2010年までは貿易黒字が続いているが2011年頃から貿易赤字が散見されるようになっている。経産省の資料によると、2011 年以降は、東日本大震災後の燃料輸入の増加や、燃料価格の高騰、さらには円安に伴う燃料の輸入額の増加等が原因の一つのようだ。このままでは、エネルギー資源高騰と円安による輸入コスト上昇のダブルパンチを受けて悪性の物価上昇につながる可能性が高い。

日本は世界第4位のエネルギー消費国でありながら、エネルギー自給率はたった12%です。これは先進国の中でも極めて低く、エネルギー資源のほとんどを海外からの輸入に頼っている状況です。これからの日本はエネルギー資源の輸入依存度を減らし国産で賄える方法を早急に考えなければならないと思う。再生可能エネルギー太陽光発電風力発電地熱発電・・)がその一つだが、太陽光発電のような昼夜・日照による変動が大きいものについては平準化できるような仕組みを開発する必要がある。安価な家庭用蓄電器の開発や、太陽光発電の余剰電力を利用した水素の生産とその利用も重要だろう。これらを研究開発するための予算は日本の将来のエネルギー政策や2050年カーボンニュートラル実現を考えれば、相当な金額を計上しても国民の理解は得られると思う。

エネルギー資源の中には原子力発電燃料のウランも含まれる。原発の発電単価が他と比べて安価と言われてきたが、ウランの価格が高騰すれば安価の神話はすぐに崩れる。はたまた昨今の廃炉に掛かる費用等を加味すれば、発電単価は安価どころではなくなるだろう。当面、原発の安全性確認後再稼働は容認できるとしても、新設などは以ての外だと思う。原発の稼働が可能な期間中に、CO2排出を考慮して安定した電力が供給できる体制を作るためには限られた時間しかない。

EVへの移行等を考えるとエネルギー問題はこれからの最重要課題の一つになってくると思う。

また、このエネルギー問題を解決できれば、そのノウハウは世界に通用するビジネス・チャンスにもなり得るだろう。これからの日本を豊かにするチャンスでもある。
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https://oil-info.ieej.or.jp/whats_sekiyu/image/1-10/illust01.jpg出所:石油連盟

 

最近の輸出入動向 : 財務省貿易統計 Trade Statistics of Japan

貿易収支の悪化とその背景

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