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人新世の「資本論」を読んでみた

当方も遅ればせながら、今話題になっている『人新世の「資本論」』を読んでみた。人類の経済活動が地球を破壊する時代として「人新世」が位置づけられている。昨今の気候変動問題(二酸化炭素排出)の根源は資本主義の活動であり、これを見直し脱成長を目指す必要があると結論付けられている。集英社新書で375ページあるので要約を掴むだけでも参考になると思う。

対談抜粋(要約)

この本のタイトルにある「人新世」とは、もともと地質学の概念です。人類の経済活動の痕跡が地球の表面を覆ってしまった時代という意味ですが、要は、資本主義の活動が世界中のあらゆるところで、修復不可能なほどの環境破壊を引き起こしている。それが現代だということです。その環境破壊の中でも、とりわけ、二酸化炭素の排出による気候変動は非常に深刻なものになっています。

 甚大な被害をもたらす豪雨やスーパー台風の襲来が毎年続き、ようやく日本人も気候変動の問題の深刻さに気づき始めています。ただ、巷では、気候変動対策が、レジ袋やマイボトルのような話に矮小化されてしまっている。しかし、そんなものでは解決しません。気候変動の原因は、利潤を際限なく追求する資本主義に他ならないからです。

 海外では脱成長が多くの支持を集めていて、「地球環境を守るためには経済成長しないのが一番」どころか、「人々が豊かな生活をするためにこそ、脱成長が必要だ」といった議論が行われています。特に若者たちは脱成長について真剣に考えています。しかし、日本で脱成長を訴えると、「お前は恵まれているから脱成長などと言えるのだろう」と言われてしまう。

  大量生産・大量消費が本当に豊かなことなのか、一度立ち止まって考えるべきです。休む暇もないほど働いて、コンビニの弁当を食べ、度数の高い缶チューハイを飲んで酔っ払ったって、そんなものは豊かさでもなんでもありません。それよりも、労働時間を短縮し、もっとゆっくり食事をし、仲間たちと語り合える社会のほうが豊かですよね。そういう意味では、21世紀に、未来をつくる選択肢は脱成長しかないのです。
 しかも、これからは一国の貧富や格差の問題に取り組むだけでは、ダメなんです。地球規模で、資本主義を見直し、脱成長を目指していかなければ、気候変動は止まりません。