3/31の日経電子版に「労働者襲う新たな産業革命 デジタルの富、社会に広く」という記事が掲載されていた。英国のデータが使われているが、先進国全般に当てはまる現象だと思う。「あなたは進歩を歓迎しますか――。」という問いかけの文章から始まっているのが印象的だ。記事の内容を少しコピーしてみるとー
大量生産を通じ物質的な豊かさをもたらした製造業は、社会の安定と繁栄を支える力を失いつつある。英国では1960~70年代に雇用全体の3割近くを占めたのが近年は1割未満だ。グローバル化やデジタル化、そして脱炭素。次々起こる変化に企業は揺れる。19世紀後半に生まれた内燃機関で動く車は電動化の潮流にもまれる。エンジン生産の見直しは世界の自動車業界が向き合う課題だ。
価値の源泉がモノからデータやソフトウエアに移り、「GAFA」に代表されるIT(情報技術)企業が力を握る時代。労働者は勤勉さでは評価されず、優れた頭脳とスキルをもつ一握りの人材が「高評価」を得る。
この記事は、「パクスなき世界」シリーズの一記事なのだが、最近メディアに頻出するSDGs「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」という考え方も、これまでの際限なき科学技術の進歩がすべて「善」と言えるのかという大きな問いかけを投げかけているのだと思う。